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法科大学院(ロースクール)について

2003.7.1更新

 法科大学院(ロースクール)に関する情報は、「司法試験受験生の部屋」司法制度改革情報にもあります。

なぜ法科大学院(ロースクール)が必要か。

 近年、社会が複雑化・国際化するとともに、規制緩和などにより事前規制少ないの自由競争が推進されているため、事後調整として司法の役割が重大になりつつあります。
 それにともない、現在十分でない法曹人口を増加させるため、優秀な法曹を多く誕生させる必要があります。(諸外国との法曹人口の比較
 ですが、現在の司法試験では、毎年1000人程度しか合格者せず、法律家不足の解消には十分ではありません。

 しかし、それ以上に現在の司法試験のシステムに問題点があるのです。
 最近は、司法試験の予備校が発達しているので、受験生の多くが司法試験予備校に通っています。
 ところが、司法試験予備校で、「ここだけ覚えればよい」とか「このまま答案に書けば合格する」といったような暗記重視・思考軽視の勉強をする受験生が増えているため、法律家に必要な論理的な思考ができない合格者が増えてしまっているのです。
 現に、受験生の答案を採点した司法試験考査委員の多くは、受験生の答案はみんな判を押したように同じだと感じ(予備校の論証例などを丸暗記しているため)、合格者の修習を担当している司法研修所教官は、覚えることはできても自分で考えることのできない合格者が増えていると思っているようです。

 以前、ある予備校の論証例に間違えがあったために、論文本試験でたくさんの受験者が同じ間違えをしたことがあったそうです。
 これだけを見ても、いかに受験生の多くが予備校のテキストなどを覚えることで理解したつもりになっているだけで、実は論理的な思考を理解していないかが現れているといっていいでしょう。

 現実に起きる事件は、まったく同じの事案はないわけで、事件の数だけの異なる事案があります。
 ところが自分で考えることができない者が合格し、法曹として社会に出ても、ひとつひとつ異なる現実の事案に柔軟に対応ができないわけです。

 そこで、法務省は司法試験の出題傾向を、基本から考えなければ答えにくいような思考重視型になるよう配慮してきました。
 ですが、それだけでは予備校を使った受験生の多くが試験対策をしてしまうので、効果が十分ではありませんでした。
 それでは、試験だけで合格を決めるシステム自体を変えるしかない。
 すなわち、受験対策ではどうしようもない、どういう法曹教育を受けたかというプロセス重視のシステムにしようというわけです。

・法科大学院(ロースクール)の概要

 法科大学院関連法は成立しましたが、各法科大学院の詳しい内容は、設置認可申請中のため、まだ確定していません。
 とりあえず、今までに報道されている内容をまとめてみました。

開校 2004年4月。
 入学試験は、今年度については、適性試験が2003年8月。各大学院の試験が2004年1〜3月(予定)。
(大学によっては、2005年以降の開校を計画するところもある)
定員 2004年度は、全国で合計5950人の定員で設置申請。
 大学によって、30名〜300名までさまざま。
入学試験 全国一律の適性試験と、大学院ごとの試験の2段階。
 (定員からすると、今の短答試験の倍くらいの競争か?)
 適性試験は、判断力・思考力・分析力・表現力等の資質を試す。アメリカのLSAT(Law School Admission Test)がモデル。
法学既修者向けの2年コースは、大学院ごとの法律科目試験もする。
 法学部を卒業していなくても、法学を習得していれば2年コースを受験できる。
法学未修者向けの3年コースは、大学院ごとの選抜を行う。
 適性試験の成績のほか、大学院ごとで必要に応じて小論文や面接による試験を行う。
 このほかに、学部での幅広い分野における学業成績や、社会人や学業以外の活動実績なども総合的に考慮して、入学者を選抜する。
→法科大学院の入学試験について、より詳しくはこちら
カリキュラム 標準修業年限は3年(法学既修者は2年)とする。
 大学によっては、3年コースを中心にするところもあれば、2年コースしか設けない計画のところもある模様。
 93単位以上(法学既修者は63単位以上)の修得が修了要件。
 入学前の既修得単位認定や単位互換は、30単位まで。
少人数ゼミによる集約的教育、セメスター制度(短期集中の講義)、事例研究、討論、調査、現場実習など。
専任教員は最低12人、専任教員1人あたりの学生は15人以下とする。
 専任教員のうち、おおむね2割程度以上は、学者、弁護士などの実務家、法律職の公務員、企業法務関係者、税理士・公認会計士、外国人弁護士などがなる。
(すべての大学院で、十分なレベルのカリキュラムや教員を用意できるか?悲観的な見解もある模様)
授業料 未定。
大学によりかなり異なりそう。
 私立は、年間で100万円〜200万円くらいになりそう。設置予定の大学の半数以上が年間150万円以上の授業料を検討。
 国公立は、いまのところ未定(100万円くらいか?)。
補助金制度、奨学金制度、教育ローンを設けようという動きもあるが、まだ具体化しつつある段階にとどまる。
新司法試験 2006年度からスタート。
 法科大学院修了者の7〜8割が合格する内容にする計画だが、5割以下になるとの試算。
 (シュミレーションでは、10〜30%程度という話も)
 毎年、約3000人を合格させる計画。
 受験資格は、法科大学院修了か、新設の司法試験予備試験の合格。
短答式試験と論文式試験(論文式試験が中心)。口述試験は行わない。
 短答式試験の試験科目は、公法系(憲法・行政法)、民事系(民法・商法・民事訴訟法)、刑事系(刑法・刑事訴訟法)。
 論文式試験の試験科目は、公法系(憲法・行政法)、民事系(民法・商法・民事訴訟法)、刑事系(刑法・刑事訴訟法)、選択科目(知的財産法・倒産法・消費者保護法・環境法など)。
 論文試験は、長文形式の問題を何時間も掛けてじっくり解く方法を検討中。
受験回数は、卒業後(または予備試験合格後)5年以内、計3回に制限。
 (3回以内に合格できなくても、再び法科大学院修了か予備試験合格で受験できる)。
→新司法試験について、詳しくは「司法試験受験生の部屋」
司法試験予備試験 2011年(平成23年)からスタート。
短答式試験、論文式試験(短答式合格者のみ)、口述試験(論文式試験合格者のみ)
 短答式試験の試験科目は、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教養科目。
 論文式試験の試験科目は、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教養科目、法律実務基礎科目。
 口述試験の試験科目は、法律実務基礎科目。
→司法試験予備試験について、詳しくは「司法試験受験生の部屋」
従来の司法試験 従来の司法試験も、2010年までは存続(2011年は、前年の口述不合格者向け口述試験のみ行う)。
(合格者数は未定)。
法科大学院修了者は、現行司法試験と新司法試験の併願は出来ない。

文部科学省のサイトにある中央教育審議会の法科大学院設置基準答申全文

法科大学院(ロースクール)に関する情報は、「司法試験受験生の部屋」司法制度改革情報にもあります。

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